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IDインソールの開発秘話

IDインソールがこの世に出て、多くに方にご愛用いただき来年で10年が経ちます。

Iそして累計10,000足のIDインソールが、それぞれご愛用の皆様の靴の中にお邪魔していたということになります。

 

そもそも、この商品の開発の契機は、2011年3月の東日本大震災では津波により多くの犠牲者が出たことに端を発します。

未だに行方不明の方も少なくありません。

 

この時、被災地の復興応援にお邪魔して、多くの身元不明のご遺体とお会いする機会がありました。ご遺体は老若男女、様々でしたが、特に素早く非難することが出来なかったご高齢の方が多かったように思います。

 

身に着けている衣服からは氏名もわからず、こんな時のために何か共通の印があって、そこから身元が明確になる仕組みが出来ないものか?と考えて作ることを決心したのがIDインソールです。

誰もが必ず身に着けるもの、でも毎日着替えたり、季節ごとにあまり変わらなくてもいいものと考えると靴が思いつきます。

その靴の中に身元判明の材料になる情報を書いておけばと考えたのです。

何も、自然災害に遭われた方のご遺体ばかりではなく、認知症で徘徊してしまう高齢者の方にも役に立つはずとも考えました。

 

 

制作と流通に至るまで

 

こうして思い付きを形にするための生産工場探しが始まりました。靴の中敷きを作っている会社はもちろん、靴屋さんにもお願いして回りました。

 

商品の社会貢献度は理解してくださる方も多いのですが、これを量産するために掛けていく準備の手間がそれなりに掛かるし、果たしていくつ売れるか分からない、ということで商品の量産を受けてくれる会社にはなかなか巡りあわなかったのです。

ある時、都内で義足を作っていらっしゃる株式会社小原工業様と出会いました。

この会社の方が、とても親切にかつ熱心に商品開発に関わってくださり、IDとなる情報を記しておく紙は、丈夫な上に浸潤性が良く、文字が消えにくいストーンペーパーという鉱石の粉を含んだものにしてもらっています。

 

また、ここに至るまで、試行錯誤を繰り返し、試作品は10足以上、完成までに約2年を要しました。

 

こうして、完成を見た現在のIDインソールは2013年に実用新案を得ることが出来ました。この際も、このIDインソールの社会貢献性が認められ、通常の実用新案の承認よりもはるかに迅速に取得することが出来ました。

 

 

IDインソールの今後のために(お願い)

 

多くの方のご協力で産まれたIDインソールですが、誕生からは、この商品を利用される方、または販売していただいている販売店様のご紹介でどんどんと販路が広がって行きました。

すべての関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

 

これからも多くの方のお役に立てるように、地道にコツコツと販路を広げてまいりたいと思います。

高齢の方の見守りグッズとして、万が一の災害時の身元判明のためのグッズとして、IDインソールが今よりももっともっとお役に立てるよう、皆様のお力をお借りしたくお願いを申し上げます。